現在地を知ること
"現在地を知る" この重要性を改めて自覚させてもらった、
今日の事例。
「呼吸が浅くなり、背中や肩・首周りが辛い」という主訴で来店した40代 主婦。
『 ある"歩き方教室"に参加して以来、お腹を伸ばしながら歩いている。』
『 そのおかげで「体幹はついてきた。」と言われていて、姿勢は悪い感じもしない。』
『 でもそれ以来、肩周りから背中、首が辛くなってきた。』
という経緯・文脈をお持ちだった。
立位
・胸部を中心にした、グローバルな体幹伸展
・股関節も伸展
・骨盤後傾が意図しても出来ない
座位
・立位と同様の体幹伸展
・骨盤後傾・体幹屈曲は意図すれば可
こうした姿勢パターンが、
呼吸や肩甲帯周囲の努力感に関わっているのは明らかだけど、これまでの意識も対象者の大切な経緯だ。
否定も肯定もしない。
対象者自身が固有感覚を用いて現在地を知り、多くの選択肢の中から"ちょうど良い"を選べるためのガイドを。
臥位での床と背中の接地感をチェック。
浮いてることに気づく。
元々されていた意識(へそから鳩尾を伸ばす)の反対である、
体幹のグローバルな屈曲運動を、右肩- 左臀部などの対角線上、右肩-右臀部などの同側線上で行う。
[ Guide to movement −The Early Warm− より ]
胴体の前を伸ばす元の意識に加え、胴体の後ろを伸ばす意識の探求。
その中での固有感覚の変化を確認して頂いた。
主訴に繋がる 呼吸や背中の接地感を基準に、両方向に探求できる状況で、より楽な姿勢を探してもらった。
「 反る意識が強すぎて、呼吸が浅くなってたみたい! !」
驚いたような口調で教えてくれた。
ご本人の感覚の中で、気づいたようだ。
あとはそれを立位に繋げる文脈を試みた。
[ Guide to movement −股関節と体幹の連動性− より ]
健康になりたいと思って歩き姿勢を習ったのに、綺麗に見せたいと努力する方向に行ってしまっていた。と話された。
目的と手段の不一致だ。
そして「体幹ついてきてる」と、人から言われたことを基準にいたこと。
固有感覚の中で自身の姿勢に気づき、選択肢を持ち合わせていれば、自ずとニュートラルは探せたということ。
このブログもそう。
事例を挙げて綺麗に書いて、なんか上手く出来てるかの如く振る舞いがちだ。人に見られていることなんかを意識しだすと、また。。
そしたら呼吸が苦しくなんだろうな。
目的は自身の成長。目的と手段を取り違えないように。
そのために、自分の今としっかり向き合い、現在地を意識し続けること。