自己認識の重要性

問診票の記入欄。

 

 

「気になることは?」という質問に対し、

骨盤から上は左が上がっていて、右が下がっていること

と書いた水泳の競技者。

 

 

左肩甲骨周りが余計にこわばったり、

泳いでいる時に右半身が沈んでいく傾向があるとコーチから指摘されているらしい。

 

 

 

自身の身体の説明が、まるで誰かを見て表現しているような言葉。

3人称記述そのもの。

 

 

 

 

 

「自分でもそう思いますか?」と、一応 聞いてみる。

「これまでの治療院で皆に言われてきた。」と。

 

 

 

治療を受けたところで、「競技中の自身の体にどんな変化があったのか?」というコンテキストを得られていなかったことだろう。

 

「これまで多くの治療を受けてきたけど、効果はその時だけ。」

って、そりゃそうだ。

 

 

 

 

どんな良い治療があったとしても、

結局は本人次第ということ。

 

どんな良い治療をしたとしても、

固有感覚的な気づきを与えられなければこうなっちゃいますよってこと。

 

 

 

 

 

そして評価。

 

座位。

支持面を左後方にとり、体幹右側屈。

結果的に左肩甲帯がバランスを取るように挙上してる。

 

立位。

右股関節が内旋し、下腿が外旋。

右側に落下するように、がっつり右下肢荷重。

 

色々と既往歴もあって、このパターンをとってる背景は・・・・と、難しいなぁ〜

って。

 

 

 

 

 

 

危ない危ない。

仕切り直しじゃ。

 

 

 

初回セッションのテーマは「感じること」。

これに尽きた。

 

 

左右均等とか、整うとか、楽とか、完全にそういうの置いといて。

 

 

 

体幹の片側を縮め、もう一側を伸ばしてみる。

そして反対。

 

「で、真ん中は?

」 

 

 

 

 

満面の笑みだった。

肩周りまで楽。初めて左右差に気づいたらしい。

 

 

分かりやすい対象者に僕自身も学んだ。

 

なんでも、難しく考えすぎなんだなぁと。