学び方、掴み方は人それぞれ

コミュニケーションと評価から始まる1時間。

初めには意図しなかった所に向かい改善した事例。

 

僕には貴重な経験だった。

 

 

過去の来店者からの紹介で、

幕別町から来店された、左股関節の不調を訴える50代の男性。

 

 

ガソリンスタンドの店員さんで、

普段の生活では不調はないものの、ゴルフのラウンドで5km以上歩いていると、股関節が痛み出す。

その度に、痛み止めの薬を何錠も飲んで対応していたとのこと。

 

 

病院に行ったら「レントゲンはなんもないけどいつかは手術になるから、大事にね。」で終わったとのこと。

 

 

 

 

 

なんだか、身体を大事にしてないのがにじみ出てるような方で、

「内観に働きかけてくの、難しそうだなぁ・・」ってのが、僕の勝手な第一印象。

 

 

 

 

背部はグローバルに伸展、不調のある側の股関節は屈曲・内旋の分化パターン。

下腿で外旋し、足尖は外側を向いて、足底外側にがっつり荷重している。

 

様々な場面で左右の比較を行っていくが、難しそうだ。

 

 

仰向けで膝立て位。

足底を床に押し付け、ブリッジのような形をゆっくりとっていくと、左は完全に腰部から持ち上がる。

 

がっつり左右差あるけど、左右の荷重感の比較からは何も気づけない。

 

 

 

 

と、ココで勝手に自分まで悩んでることに気づく。

 

 

 

初回セッションのGoal設定を、

「 固有感覚を用いて、不調と自身のクセの関係に気づく 」

「 動きや施術を通して、前後の違いに気づく 」

 

と、いつも勝手に自己設定し、それに対象者を当てはめようとしていることに気づいた。

 

 

 

 

対象者が喜びそうな学びの場は・・?

と発想を転換して考えていく。

 

 

 

 

「 そうだ、がっつりエラーをしてもらおう。」

 

 

 

仰向け膝立て位から、

足尖をできる範囲で内側に入れて踏んでもらう。次いで外側。

 

「どっちが好きですか?」

 

「いや、どっちも・・・」

 

「痛みが少なく踏みやすいのは、間のどの辺りですか?」

 

 

この単純な問いかけから、何かの感覚を掴んできた様子だった。

でも何を掴んでるかまでは読めない(^^;

 

 

 

 

そこから様々な肢位で目立っていた、左背部の伸展に対し、同側の屈曲のWarmの動きを数回。

 

そしてまた左での荷重感につなげる。

 

 

 

 

僕が行ったのはココまで。

そこからは本人の独壇場。

 

掴んだ感覚を立位、歩行まで勝手に汎化し、理由まで勝手に言語化し、僕は頷くらい。

 

 

 

そして最後に、

「 やっぱ札幌 スンゲェなぁ 」

「 実はもう何十万もいろんな治療に突っ込んだんだけど。 」

と言い捨てて帰られた。

 

 

 

 

いろんな人がいるんだなぁ・・(^^;

 

まだまだ、敷いた路線を走らせようとしてしまう自分に気づかせていただいた。

 

そしてエラーからの学びは大きい。

本人主体で進められるためにもっと色んな視点で相手を知ること。